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不動産コラム
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家じまいの哲学 もしも古代ギリシャ哲学者だったら まえがき


まえがき 家じまいを哲学する
“To study philosophy is to learn to die.” ― Michel de Montaigne
(哲学することは、死を学ぶことである。)
このモンテーニュの言葉は、家じまいを考える私たちにとって大きな示唆を与えてくれます。
家じまいとは、ただの片付けや資産整理ではなく、「これまでをどう生きてきたか、これからをどう託すか」という人生の問いに正面から向き合う行為だからです。
現在、不動産会社を経営する中で、高齢の方がご自宅を手放し、施設への入所や住み替えを検討される場面に立ち会う機会が増えました。実務の現場では、単純に「家を売る」だけで終わることはありません。
たとえば――。
実務で出会ったお客様の中で築50年の木造住宅に住んでいたご夫婦がいました。子どもはすでに独立し、広すぎる家の手入れに疲れて売却を決意されました。けれど契約直前、ご主人がふと立ち止まり、庭に咲く桜の木を見上げながら「子どもたちが小さい頃、この木の下で写真を撮ったんです。切られてしまうのは辛い」とつぶやかれました。
その一言に、奥様も涙ぐみ、「やっぱり簡単には決められないわね」と言われたのを覚えています。最終的には、新しい所有者が木を残すと約束してくれ、安心して家じまいに踏み出すことができました。
また、別のお客様のケースでは、遠方に住む子ども世代が、空き家になった実家の管理に疲れ果て、ついに売却を決断しました。玄関を開けると、まだ母親の手書きのメモや、仏間の位牌がそのまま残されており、「片付けきれなかった」という後ろめたさを抱えたまま鍵を渡されました。そこには不動産取引の手続きを超えた、人生の節目としての“重み”がありました。
家じまいと老い ― 不動産の現場から見える人生
大学時代、私は褥瘡(じょくそう)の研究をしていました。その経験から高齢者の生活や介護に関心を持ち続けてきましたが、不動産の現場で出会うお客様の姿は、介護や老いの問題と直結しています。家を整理することは、単なる物理的な片付けではなく、人生の最終章をどう過ごすかを決める行為でもあるのです。
不動産の専門家として、契約や資金計画、税制をはじめ数々の助言を行うのは当然の役割です。しかしそれ以上に大切なのは、「その人がどんな思いで家じまいに向き合っているのか」を理解し、その心に寄り添うことだと私は感じています。介護や看取りを控えたご家庭にとって、家じまいは経済的な選択であると同時に、心理的・社会的な転換点でもあるからです。
家じまいは「哲学的な行為」
こうした経験を重ねるうちに、私は家じまいを「哲学的な行為」としても捉えるようになりました。人が自らの生を振り返り、残される家族に何を遺すのかを考える過程は、古代の哲学者たちが語った「よく生き、よく死ぬ」ことと深く通じています。
家じまいは、過去を整理し、現在を見つめ、未来へと橋をかける営みであり、それは人間存在そのものを問い直す哲学の実践といえるのです。
おわりに ― 家じまいを「未来への贈り物」に
本書は、そうした「実務」と「思想」の両面から家じまいを読み解こうとする試みです。これから家じまいを迎える高齢者ご本人はもちろん、決断を支える子ども世代や孫世代にとっても、一つの道しるべとなることを願っています。
家じまいを「未来への贈り物」として前向きに受け止められるよう、本書がそのきっかけとなれば幸いです。
株式会社アソシオ 代表取締役 下道 正昭
出典
Michel de Montaigne — “To study philosophy is to learn to die.”
親族に迷惑をかけない家じまいの進め方

家じまいとは?
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