相続した不動産の売却は時間と金額に注意!

相続した不動産の売却のポイント

相続した不動産は売却が正しい選択肢でしょうか?
賃貸に出してみてはどうか、自分で使用できないか、、等
他の選択肢も考慮するべき事由ですが、ここではまず不動産の売却のポイントについて考えていきます。

相続した不動産を処分する場合、一般的な不動産取引と異なることがある点が2点あります。
それは、不動産の売却(換金化)までの時間的制約がある場合と相続人等利害関係人が複数になるケースがある場合です。例えば、下記のような単純な例で考えてみますと、

相続する不動産=単独(時価10億円相当)
相続人=3人
※相続財産は不動産のみ、相続税の支払いが必要。相続人に金銭の余裕はない。
※各種税制の優遇等は考慮しない。

相続人が3人ですので、一つの相続不動産を3人で分けるには不動産を共有名義で相続するか、不動産を売却して売却した金銭を3人で分ける方法があります。不動産を共有名義で相続する場合でも、相続税の支払いの事を考えるとあまり得策ではありません。(共有名義で相続した場合にもそれぞれ相続税の支払いが必要です)

相続税は相続を知った日から10か月以内に納付しなければなりませんので、もし不動産を売却してその代金をもって相続税を支払うとするならば、その期限までに売却して手元に現金を確保しなければなりません。
10か月と聞くと長いなと感じることもありますが、相続財産の把握・整理、遺産分割協議、各種調整をしているとあっという間に期限を迎えてしまいます。いざ不動産を売却すると行動に移しても買い手が見つからなければ契約も出来ませんので、思うように事が進まない事が多いです。

話を戻しますと、相続した不動産を売却しようと考えた場合、不動産を確実に納付の期日までに買ってくれる人というのが絶対条件になってきます。
金額の大小に限らずですが、①確実に不動産を買って貰う、②期日までに買って貰うには相場の金額ではなく、金額は相場よりも安い金額になってしまいがちです。そうなると買主は不動産業者や買取業者がメインになってきます。
また、相続した不動産は土地の状態や建物の状態を把握していない場合も多く、修繕して売却といった事が出来ずに一般の人が相場の金額で買いづらいといった点もあります。その辺りも不動産業者などが相続不動産を相場よりも安く買うといった構図の要因かと思います。

もし上記の例のような相続が発生した場合には、不動産を売却して金銭を各相続人に分け、各人が相続税を納付する。つまりは不動産を相場より安く売却という事が相続財産を相続人で分けるのキーポイントになってくるかと思います。
とはいうものの、本音は相続不動産でも相場の金額位で売却したい。ですよね。
相続不動産でも相場並での売却をするならば、その方法は「売り方」や「買主の選定」等を工夫して、、、不動産業者の腕の見せ所かと思います。

下記、相続した不動産の売却のポイントを深堀してみます。

相続した不動産の売却のポイント

  1. 換金化までの時間的制約に注意

    不動産の売却はいざ売却をしようと行動をしてもすぐに希望の金額で決まる訳ではありません。一般的な不動産の売却では、概ね3ヶ月位で決まる金額(相場の値付け)で募集をしたり、強気のチャレンジ価格で募集をします。相続が絡む不動産の売却では、相続税の支払いや換価(代償)分割の必要性がある場合は、~~時期までにまとまった金銭が必要な事があります。不動産の売買契約~決済までのタイムスケジュールは現金決済の場合では数週間以内に終わることができますが、通常は買主がローンを組んでの購入となりますので、早くても1ヶ月~2ヶ月位の時間がかかってしまいます。ローンの場合は途中で否決される可能性もありますので、その場合は他の購入希望者を探す必要もあります。その為時間的制約がある不動産取引の場合、~~期日までに現金化をしないといけないことを考えると、換金化の確実性の為、不動産業者や大口の投資家が買取るという事が多くなっています。その場合の買取金額は通常の相場よりも安くなってしまう事がほとんどかと思います。不動産業者は相続と聞くとすぐに飛びつきますので、いかにかわして少しでも高く売却できるようにすることを考えるのが得策ですね。その方法は、、、またの機会にします。(詳しくはお問合せ下さい)

  2. 売却した後のトラブル(土地・建物リスク)に注意

    相続した不動産に限らずですが、不動産の売却時には土地や建物のリスクがついてまわります。例えば相続した不動産(数年間使用していなかった)を売却する場合では、建物の損傷(雨漏りやネズミ、シロアリ等)がある事や、土地に問題(木々や屋根の越境や境界、埋設物等)があるケースがあります。ご自身で住んでいる建物の場合では自分で把握している事もありますが、長年住んでいなかったりする場合は過去の書類が紛失していたり、近隣とのトラブルを把握していなかったりと後々問題となってしまうことがあります。売却した後に問題が発生してしまうと、買主から瑕疵担保責任を追及されたり損害賠償を請求されたりといった事も起こりえない事ではないです。 売却後のトラブルを回避するために、瑕疵担保保険に加入する事や瑕疵担保免責等の条件で契約すること等も考えてみると良いと思います。(瑕疵担保免責等の条件を付加するとその分減額圧力がかかってしまいますが)

  3. 遺産分割協議書、相続人、利害関係人に注意

    相続した不動産の売却では、相続人、利害関係人や遺産分割協議書も関わってくることもある点に注意が必要です。専門的な内容は税理士や弁護士の先生にお任せですが、不動産を売却して得た金銭を相続人で配分するといった内容の事でも、不動産の相続名義は単独にするのかそれとも共有名義にするのか、単独にした場合に他の相続人に支払う金額は遺産分割協議書に基づいているか、複数にした場合に滞りなく売却が出来るのか(全員が売却の意思表示、書類の準備等)、税金面でどれが有利か、手残りはどうなのか、軽減税率もあったな、、、といった具合に考えるべきポイントがありますので注意が必要です。不動産業者は不動産やその取引については専門家ですので理解が深いですが、遺産分割等については法律行為は出来ませんので、各専門家(税理士、弁護士、司法書士等)と一緒に行います。


二次相続時の注意点

相続税には様々な控除がありますが、その中でも配偶者控除というものがあります。配偶者控除とは16,000万円または配偶者の法定相続分相当額の高い方の金額を控除できるという制度になります。
1次相続時はこの配偶者控除を活用して相続税の支払いがゼロまたは少ない金額になることが多いですが、
不動産の実務において、相続時の不動産売却が絡んでくる場合に、二次相続時での節税を目的に1次相続で得た不動産を事前に売却することが多々あります。
個々人の資産状況によってどのような対策を取るかは変わってきますが、相続の時に注意したい点は、1次相続時は控除の金額も大きく、相続税の支払いがゼロあるいは金額的に少ない事が多いですが、二次相続時には使える控除の金額が小さく、多額の相続税の支払いが必要になってしまうことがあります。
1次相続、2次相続のバランスを見極めたうえで、不動産の売却(どの不動産を売却し、どの不動産を残すのか等)を考える必要が出てきますので、不動産業者や税理士などの専門家と事前に相談された方が良いかと思います。

また、1次相続後の不動産の売却の場合、
相続発生から1~3年位に売却になることが多いですが、これは「相続した空き家の3000万円特別控除」というものが関係してきます。この控除は相続した時から3年を経過する年の12月31日までに売却した場合に適用される為、1次相続後概ね3年以内の売却であれば適用される可能性が高いです。(詳細・適用要件等は国税庁のHPをご参照下さい)
この特別控除を使う際は、昭和56年以前に建てられた建物を解体して売却する必要がありますので、適用要件等には注意が必要です。(相続後賃貸に出してしまうと該当しません)
・実家が古い一戸建てで、相続したけど使用する予定がない
そういったケースの方は売却時に摘要の可能性がありますので、ご相談下さい。


相続した不動産を売却した場合の注意点を書いてきましたが、
不動産を売却しようか賃貸に出そうか迷っている方は、
Q.あなたは相続した不動産を査定した金額で買いますか?
という問いを考えてみて下さい。
下記のように単純にはいきませんが、
同じ金額を出すなら、他の不動産や教育、投資に回したい → 売却
実家は必要。今は使わないけどメンテナンスしておきたい → 賃貸(自己使用)
というような考え方も出来ます。
次回は、賃貸に出した場合について深堀していきます。


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