家賃が払えそうにないとき、まず何をすればいい?

来月の家賃が払えるか不安です。黙っていてもなんとかなるものでしょうか。まず何から動けばいいのか分かりません。

黙ったまま遅らせるのは、避けたい動き方です。払えない見通しが立ったら、期日より前に貸主(大家)や管理会社へ連絡するのが最初の一歩になります。
この記事では、家賃が払えそうにないときの順番を、連絡・滞納が続いた場合・公的な相談窓口・住み替えの4つに分けて整理します。法律や制度は一般的な説明にとどめています。
まず、期日の前に管理会社・大家へ連絡する
家賃の支払日や支払方法は、賃貸借契約書に書かれています。まず手元の契約書で確認してください。
払えそうにないと分かった時点で、早めに連絡します。連絡先は、管理会社が入っていれば管理会社、いなければ貸主(大家)です。次の点を伝えられると、話が進みやすくなります。
- 払えない理由(収入が減った、急な出費があった、など)
- いつ、いくらなら払えるか(見通し)
- 分割や支払日の延期をお願いしたいこと
連絡のコツ
電話で話した内容は、あとからメールや書面でも残しておくと、お互いの認識違いを防げます。支払いの猶予や分割に応じてもらえるかどうかは、貸主の判断によります。応じてもらえない場合もあることは、知っておいてください。

連絡したら怒られそうで、つい先延ばしにしてしまいそうです。

不安になりますよね。ただ、連絡があるかないかで、相手の受け止め方が変わることがあります。事情と見通しを伝えてくれる借主のほうが、話し合いの余地は残りやすいです。
家賃の滞納が続くとどうなる?
すぐに契約が終わるとは限りません
家賃を1回遅れただけで、直ちに契約を解除できるとは限りません。貸主(大家)が賃貸借契約を解除するには、一般に、まず借主に「相当の期間を定めて支払いを求める」手続き(催告)をします。それでもなお支払われないことが前提になります。
さらに裁判では、賃料の不払いがあったかどうかだけでなく、貸主と借主の信頼関係が壊れたといえるかが考えられます。この考え方は「信頼関係破壊の法理」と呼ばれます。何か月滞納したら解除になる、と一律に決まっているわけではありません。滞納の期間・金額、連絡や話し合いの状況などを総合して判断されます。
借地借家法という法律は、貸主からの更新拒絶(契約を更新しないこと)や解約に「正当な理由」を求めるなどして借主を守っています。ただし、家賃の不払いによる解除は別の問題で、家賃を払わなくてよいという意味ではありません。
督促に応じないまま滞納が続くと
督促(支払いを求める連絡)の手紙や電話に応じないまま滞納が続くと、信頼関係が損なわれたと見られやすくなります。最終的には、貸主が裁判所に、部屋を返すこと(明け渡し)を求める訴えを起こすことがあります。判決などが出たあとは、強制執行(裁判所の執行官が行う手続き)に進むこともあります。
貸主が勝手に鍵を替えることは、原則として認められていません
滞納があっても、貸主や管理会社が自分たちの判断で鍵を交換したり、部屋の家財を運び出したりすることは、「自力救済」と呼ばれ、原則として認められていません。借主が自分から明け渡さない場合に、貸主が明け渡しを実現するには、裁判所の手続き(訴訟や強制執行)による必要があります。

すぐに追い出されるわけではないと分かって、少し落ち着きました。

ただ、「追い出されないから大丈夫」と考えて放っておくと、滞納額が増えていきます。早めの対応が大切です。
公的な相談窓口を使う方法
収入の減少が続きそうなときは、貸主との話し合いと並行して、自治体の相談窓口も使えます。
住居確保給付金(各区の相談窓口)
住居確保給付金は、生活困窮者自立支援制度の中で、住まいの確保を目的とする給付金です。2025年(令和7年)4月1日の国の制度改正で、次の2種類を目的とする制度になりました。世田谷区の案内(2026年10月時点で確認)をもとにまとめます。
住居確保給付金の2種類
- 家賃補助:離職・廃業した人や、休業などで収入が減り(本人の責任や都合によらないもの)、離職等と同程度の状況にある人のうち、住まいを失った人や失うおそれのある人に、就労支援とあわせて家賃を補助する
- 転居費用補助:世帯の収入が大きく減少して(減少した月から2年以内)、家賃の安い住宅へ転居すると家計が改善すると認められる人に、転居費用を補助する
家賃補助の期間は、原則3か月間です。一定の要件を満たせば3か月ごとに2回まで延長でき、最長9か月間とされています。支給額や詳しい要件は、お住まいの区の窓口で確認してください。

世田谷区に住んでいます。どこに相談すればいいですか。

世田谷区では、世田谷区社会福祉協議会の「ぷらっとホーム世田谷」(三軒茶屋分庁舎5階)が相談・申請の窓口です。受付は平日の午前9時から午後5時で、来所前に電話(03-5431-5355)での連絡が必要とされています。ほかの区にお住まいの場合は、その区の生活困窮者の相談窓口をご確認ください。
生活福祉資金貸付(社会福祉協議会)
生活福祉資金貸付制度は、都道府県の社会福祉協議会が実施する貸付制度です。対象は、低所得世帯(他から資金を借りることが難しい世帯)、障害者手帳などの交付を受けた人がいる世帯、65歳以上の人がいる世帯です。問い合わせは市区町村の社会福祉協議会が受け付けています。給付金と違って借りるお金のため、返済が必要です。
法律の相談先
滞納や明け渡しの話が出たときは、法的な見方を専門家に聞くこともできます。東京都住宅政策本部には、弁護士・司法書士による法律相談(不動産取引特別相談室、予約制)があります。法テラス(日本司法支援センター)では、収入や資産が基準以下の場合に無料の法律相談を受けられる制度があります。最新の受付時間や条件は、各窓口でご確認ください。
家賃を抑えた部屋への住み替えも選択肢のひとつ
収入が下がった状態が続きそうなら、家賃の低い部屋へ住み替える方法もあります。ただし、住み替えにも費用がかかります。
- 新しい部屋の初期費用(敷金・礼金・保証会社利用料・鍵交換費用など)
- 今の部屋の退去費用(原状回復=部屋を元の状態に戻すことなど)
- 引っ越しの費用
初期費用の中身は、敷金ゼロ・礼金ゼロはお得な物件?で詳しく説明しています。
今の部屋の敷金は、明け渡し後に精算されます。精算の流れは賃貸物件の退去、敷金が返って来るのはいつ?をご覧ください。なお、滞納している家賃があれば、敷金から差し引かれたうえで、残りが返還されます。
月々の家賃が下がっても、初期費用を入れた総額で考えることが大切です。収入が大きく減って家賃の安い住宅へ移る場合は、住居確保給付金の「転居費用補助」が使えることもあります。お住まいの区の窓口で確認してみてください。
最近は、オンライン内見や電子契約で部屋探しを進める方法もあります。流れはオンライン内見・電子契約で変わった?今のお部屋探しの進め方にまとめました。条件に合う部屋は物件検索からも探せます。

順番が分かって、少し前向きになれました。

一人で抱えこまず、まずは連絡と相談から始めてみてください。
まとめ
この記事のまとめ
- 払えそうにないと分かったら、期日の前に管理会社・貸主(大家)へ、理由と見通しを添えて連絡する
- 滞納してもすぐに契約解除になるとは限らないが、督促に応じないまま続くと信頼関係が損なわれやすい
- 貸主が鍵の交換や荷物の搬出を勝手にすることは原則認められず、明け渡しは裁判所の手続きによる
- 収入減が続くときは、住居確保給付金や生活福祉資金貸付などの公的な窓口に相談できる
- 住み替えは、初期費用と退去費用を含めた総額で考える
契約解除や滞納の扱いは、契約内容や個別の事情で変わります。実際の判断は、弁護士・司法書士や法テラスなどにご確認ください。
※本記事の内容は、世田谷区「住居確保給付金」、厚生労働省「生活福祉資金貸付制度」、生活困窮者自立支援法・同法施行規則・民法・借地借家法(e-Gov法令検索)、最高裁判所判例(昭和39年7月28日・昭和40年12月7日判決)、裁判所「不動産引渡(明渡)執行」、東京都「都庁の相談・窓口案内/住宅」(不動産取引特別相談室)を参考にしています(2026年10月時点)。
お部屋探し
東北沢・下北沢周辺のお部屋探しはアソシオへ
掲載中の物件のほか、ご希望をお聞きしてお部屋をお探しすることもできます。
お電話でも受け付けています 03-5738-5622営業時間は9:00〜18:00、水曜日は14:00まで、日祝は定休。定休日のご案内は事前予約にてご相談ください。
