インバウンド客が見込めない!! どうする地方の民泊施設

コロナ後でインバウンド客激減!

外国人観光客数が順調に伸びていた2019年、
翌年にオリンピックを控え都市部だけでなく地方でも民泊施設がどんどん増えていきました。
東京・大阪・京都・札幌では施設同士の競合もありレッドオーシャン状態でしたが、
地方はまだまだ新規民泊施設のフロンティア、
「地方創生」とも相性が良く民泊に大きく期待が寄せられていました。

  

ですが2020年のコロナ禍でその流れは大きく変わってしまいます。

外国人観光客は前年比99.9%減。
県をまたいだ移動すらも自粛が求められ、
緊急事態宣言が解除された後でも感染者数が少ない少ない地方では、
なかなか民泊施設は県外客大歓迎という雰囲気ではありませんでした。

都市部の民泊施設は賃貸物件として貸し出す、
時間貸しの施設にする、
帰国者用一時滞在施設にするなど現状は厳しいですが方向転換も可能です。

ですが、地方にある民泊施設の転用は厳しいのが現状です。

コロナ後を見据えて極力コストを抑えつつ施設を維持するか、
それとも撤退をするか、
しばらく様子見で休業するか、
他の業態に転換するか、
地方の民泊施設の今後にどのような可能性があるかコラムにまとめてみました。

〇ターゲットは外国人観光客から国内観光客へ

緊急事態宣言下、外国人の入国に規制がかけられています。
ビジネス関係者に対しても厳しい入国制限がかけられていますので、
外国人観光客が日本に入国出来るのはまだまだ先になりそうです。

また2020東京オリンピックの開催は不透明な状況ですが、
全世界の状況を考えると、なかなか観客ありでの開催は現実的ではありません。

そうなるとターゲットは国内にいる人に限られ、
有名観光地のホテルや旅館でも集客に苦戦しているのが現状ですので、
施設を維持するだけの集客を見込めるかどうか厳しいところがあります。

また、国が推進したGoTo事業もそもそも宿泊料金が安く、
ホテルや旅館より価格が安い点が売りだった施設も多い民泊施設はその恩恵を大きく受けることがありませんでした。
民泊施設によっては”実質ゼロ円”で宿泊できるというのが集客のポイントでしたが、
「どうせなら普段は泊まれない価格帯のところに行こう」と考えるには自然ですので、なかなか集客が難しかったといえるでしょう。

ましてや現在都市部には緊急事態宣言が出されなかなか旅行を楽しめる世の中ではありません。

民泊施設を続けられるかどうかはより少なくなった見込み客にどうやってアピールするかにかかってきます。

地方にある民泊というポイントをどうコロナ禍のメリットに変えて集客出来るか、
コロナ後を見据えて運営を続けていくならば考えなければいけないテーマだといえるでしょう。

〇リモートワークは地方の民泊と相性がいい

リモートワークの普及で地方での生活を検討する人がコロナ禍で増えつつあります。
最近では大企業の地方への本社移転や郊外でのサテライトオフィスの開設も話題になりました。

地方で都市部のような待遇で仕事を探すことは難しいですが、
リモートワークが出来、今までの収入などを維持できるなら生活コストが安く密を避けた生活が出来る地方は魅力的です。

いきなり移住をするのはなかなか決断が難しいですが、
その地方での生活を体験できるのが民泊といえるでしょう。
民泊で移住を疑似体験し、移住するかどうか検討することが出来ます。

また移住ではなく、期間を限定しての地方生活を可能にするのも民泊です。
・コロナ禍で感染症のはやる冬の期間だけ、や
・花粉の季節だけ、
・子供が夏休みの期間だけ、

など東京と「もう一つ」、の生活場所を探している人にとって民泊は好都合で、
別荘や別宅といった感覚を提供することが出来ます。

まずはインターネット環境を整えればリモートワークに対応出来ますし、
地方の広い一軒家タイプの民泊なら一部屋を「ワークスペース」としてコストをかけずに施設の売りにすることが可能です。

〇趣味+ワークスペースを可能にする場所を提供できる民泊

サーフィンやスキー・スノボ、山登りや釣り。
アウトドア系の趣味はなかなか都会では頻繁に出来ません。

地方の立地を生かし、アウトドア系の趣味にアクセスのいい民泊施設なら「ここでしかできない」ものを提供できる可能性があります。

また先ほども述べましたが、リモートワーク需要へ対応することは必須です。

リモートワークが可能になりワーケーションという言葉もありますが、
趣味や仕事、家族との時間全てを大切にしたいという生活が以前より可能になりました。
趣味を楽しみつつ、仕事をしつつ、家族との時間も持つ。

あまりお金をかけずに、より便利に、そして思い立ったらすぐにこのような生活を実現出来るのが民泊施設の利用であると考えています。
やはりホテルや旅館では提供できない、
また地方でなければ提供できないというのが集客のポイントであるといえるでしょう。

〇完全非接触の宿泊施設はホテルや旅館では難しい

以前はホストとゲスト、また地域の住民とゲストの交流も魅力であった民泊ですが、
コロナ禍ではそういった楽しみ方は難しくなりました。

ホテルや旅館はフロントなど共用部分での人との接触を完全に避けることは難しいですが、
一棟貸タイプの民泊ではそういった形態での運営が可能です。

チェックイン等もオンラインで行いホストとゲストが接触せずにチェックインまで行えるオペレーションをすれば、
ゲストにとっても安心できるサービスといえるでしょう。

〇コロナ後という希望に向けて

コロナ後がいつ来るかは分かりません。
ですがワクチンの接種が進み、コロナウイルスに有効な治療薬が開発され、人々が集団免疫を獲得するという希望はあります。

地方民泊においてはインバウンド需要に大きく期待していた分、
オリンピックの延期や外国人の入国制限は大きな痛手です。

ですがここで移住需要や新しい生活様式での旅行需要を取り込めば、
外国人に頼らずとも集客することが可能になります。
またコロナ後に競合がいない一人勝ちになれるチャンスもあります。

そこに向けて多少の方向転換や設備投資は必要かもしれませんが、
地方にある民泊という特性がこのコロナ禍の需要にマッチする可能性は大いにあると考えています

〇民泊運営や地方の空き家活用についてのご相談は株式会社アソシオへ

東北沢の不動産会社アソシオは民泊運営や地方の空き家活用のコンサルティングを行っております。
空室が続いて困っている空き家や管理の手間がかかっている地方の不動産など、不動産に関する”困った”をご相談ください。
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