不動産のご契約前や入居中に知っておきたい民法について

役に立つかもしれない民法

民法に書いてあることは難しばかりで実生活で使うことはほとんどないかもしれませんが、
不動産にまつわる身近な民法って結構あるんです!

  

今回のコラムはもしかしたら役立つかもしれない不動産にまつわる民法のお話をお届けします。

<マイホーム>お隣さんの敷地から伸びてきた木の根は勝手に切ってもいいが、枝はダメ(民法第233条)

隣の敷地の植栽が塀をを越えて我が家の庭まで伸びてきた場合、
根っこは切ってもいいが、枝は勝手に切ってはいけないという決まりがあります。

もし枝が伸びてきたらお隣さんに枝の伐採を要求することが出来ます。

ですが、いくら法的に認められているとはいえ勝手に根を切ればトラブルに発展しかねませんよね。
隣の植栽が敷地に入って来たら、まずはお隣さんに相談するのが妥当でしょう。

<マイホーム>家の屋根から直接雨水がお隣さんに落ちるようにしてはならない(民法第218条)

隣の家の屋根から直接敷地に雨水が流れるようにしてはならないという規定があります。
家を建てる際にはそういった事に配慮した造りになっていそうですが、
時がたつにつれ雨樋などに不具合が生じ隣家から雨水が敷地に流れ込んでくることがあります。

そういった場合には雨水が流れ込んで来ないように雨樋を設置しなければいけない、
というのが民法の規定です。

<相続>所有者のいない土地は国庫に帰属する(民法第239条)

誰のものでもない物(動産)は所有する意思を持って占有することで所有権を取得しますが、
不動産に関しては所有者がいない場合は国庫に帰属します。
では一体所有者がいないとはどういった状態でしょうか?

様々なケースが考えられますが、
一般的に考えられるのが「相続人がおらず、誰も相続しなかった不動産」です。

亡くなった人に相続人がいなかった場合、
所有していた土地や建物などの不動産は国庫に帰属することになります。

では、相続人がいるが全員が相続放棄したは場合はどうなるのでしょうか?
利用価値なし、固定資産税がかかる、管理責任を負わなければいけないなど出来れば相続したくない不動産ってありますよね。
国庫へ帰属することが可能なら気が楽ですが、実際問題そうは簡単に相続放棄することは出来ません。

相続放棄した不動産が国庫に帰属するには、費用と時間がかかる手続きを踏まなければならず、
実際には難しいというのが実情です。

<賃貸物件>敷金が返還されるのは建物を空け渡したとき(民法第622条)

お部屋を借りる際敷金を預けるのは一般的ですが、
退去する際はその敷金から原状回復費用を差し引いた金額を返還しなければいけないというルールです。

返還されるタイミングは「お部屋を空け渡したとき」で、
まだ荷物などが置いてある状態で「1週間後に出て行くので先に敷金を返してください」と請求することは出来ません。
(賃貸借契約書の条文上は、敷金は明け渡し後1ヶ月以内に返還するという規定が多いです)

また、「敷金が帰って来るまで部屋を出て行かないぞ!」と主張することも出来ません。

<賃貸物件>原状回復費用には通常損耗や経年変化は含まれない(民法第621条)

賃借人がお部屋を退去する際は原状回復する義務があります。
ですが、「どの状態まで原状回復するか」はどのように判断するのでしょうか?
もちろん故意に破損させてしまった・不注意で取れない汚れをつけてしまったものに関しては原状回復が必要です。
ですが、通常の使用において損耗したものや経年変化は原状回復費用に含まないとされています。

特約で退去時清掃費用○○○円となっていれば、その金額を払わなければいけませんが、
通常の使用において冷蔵庫の裏側の壁紙の変色(電気やけ)や気温の変化による窓ガラスのひび(熱割れ)は原状回復費用には含まれないとされています。

人々の暮らしに直結しているのが民法

普段の生活で民法を意識することはありませんが、
人々の暮らしに直結しているのが民法です。
不動産のトラブルは弁護士など法律の専門家に相談することをおすすめしますが、
ちょっとした相談ごとや、お困りごとは不動産屋でも対応出来ますのでぜひお気軽にご連絡下さいませ。

株式会社アソシオ
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