ハンコ不要論!?契約の時に必要なはんこのはなし

知ってると得するかもしれない?!不動産の話#9

最近、はんこが話題です。
はんこ不要論が出る一方で、はんこ文化を大切に!といった主張まで。
婚姻届けや離婚届にはんこは必要か、必要じゃないかという議論もありました。

 

こと、不動産業界にははんこが深く関わっています。
お部屋を借りるときには賃貸借契約書、
売ったり買ったりする時なら売買契約書。
契約を締結するときには必ずはんこが登場します。

でもはんこっていろんな種類がありますよね。
認印、実印、三文判、銀行印、シャチハタ、、、、

例えば賃貸借契約を結ぶとき、必要なのは基本的に【認印】です。
ここでいう【認印】とは一体どんなはんこのことでしょうか?

【認印】とは一般的に、届け出を出していない個人のはんこのことです。

みとめいん、または、いんいんと呼びます。
法律用語上では個人が日常生活上使用する印鑑で、印鑑登録をしている印鑑以外のものとされています。

100円ショップや印鑑の自動販売機ですぐに手に入ります。

アソシオでは賃貸借契約を締結するときは【認印】の捺印をお願いしております。

ここで気になるのが、
契約書なのに、100円ショップで買える【認印】でいいの?という疑問です。

【認印】より【実印】の方が契約ごとには向いていそうですよね。
ところで【実印】とは一体何なのでしょうか?

【実印】とは市町村の役所に登録した公的なはんこのことです。

ひとりに対して一つしか登録できません。
この、はんこを登録することを印鑑登録といい、印鑑登録すると印鑑登録証を取得することができます。
契約などを交わすときに、実印の押印と印鑑登録証があることで「確かに本人が実印で押印した書類」であることが認められます。

なんだか、【認印】より【実印】の方が重みがありそうですよね。

ですが、、、契約の世界では【認印】も【実印】も法的効力に差がないとされています。

つまり、【認印】で押印した契約書も【実印】を使った契約書も同じ契約書であり
契約を取り交わしたという事実は変わりません。

ですが、本当に本人が押したの?というところを確実にするために
売買契約では【実印】の押印が求められる場合もあります。
売主はほとんど【実印】ですね。

ちなみに、【認印】の押印でOKな場所に【実印】を押しても問題ありません。

また、賃料の支払いなど銀行の口座振替の時に必要なのが【銀行印】です。
銀行に届け出ているはんこのことです。
銀行ではこの届けられたはんこの印影と、口座振替の申請書に押されたはんこの印影が同じかチェックします。

賃貸借契約をする際には、口座振替の用紙を書いていただく場合もありますので
その際は【銀行印】の持参をお願いする場合があります。

最後に、シャチハタって使えるの?というご質問を頂くことがあります。
シャチハタとは一般的に朱肉を使わずに押印できる便利なスタンプ印のことですが、
契約書への押印には使えません。
また、シャチハタを印鑑登録することはほとんどの場合却下されますので【実印】になることもありません。

ですので、不動産の契約に必要なのは認印か実印。
場合によっては銀行印も求められるかも、と覚えておいてください。

契約当日、結構ばたばたしますよね。
アソシオまでお越しいただき、さあ契約!となったときに「はんこ忘れた!!!」
というお客様もいらっしゃいます。
アソシオの事務所がある東北沢駅にはんこ屋さんや100円ショップがあればいいのですが、、、
一番近い笹塚の100円ショップまでスタッフがひとっ走りすることもできますので、
お困りの際は一言ご相談いただければと思います。

100円ショップで他人が購入したはんこでの押印って意味あるの?って突っ込みたくなりますよね。
そもそも、契約とは口約束でも成立し効力があります。
法律でも「契約は、契約書に記名押印することで成立する」とは書いてありません。

ですが、のちに争いになったときに客観的な証拠を残すためという意味合いがあり、
そういった意味で契約書の作成・記名押印があります。

また、人生にそうたくさんない賃貸借契約や売買契約の締結においては
押印という儀式があることで

「内容を確認しましたよ」
「契約内容に相違はありません」

そういった気持ちを確かめながら契約書を締めくくれることは、
契約当事者にとって大切なことなのかもしれませんね。
(※あくまでの個人の意見です)