【親子で学ぶ不動産投資ドリル】  超入門編6

入居者を募集するのにはお金がかかる?

オーナチェンジ物件で既に入居者がいる場合は手を加えなくてもすぐに家賃収入を得る事ができますが、
空室の状態で物件を購入した場合、入居者を募集するには費用が発生します。
また、すぐに入居者が決まればいいのですが、募集してもなかなか入居者が決まらない場合はさらに費用をかけて募集をしたり、家賃を下げて募集するなどの判断をしなければいけません。

 

例題1 入居者の募集をした場合にかかる費用はいくら?

家賃6万円で募集を出していた戸建物件ですが、なかなか入居者が決まりません。
礼金をゼロにした場合と家賃を3000円下げた場合では1年間の収入はいくら差が出るでしょうか?
入居者の募集時に係る費用は賃料1ヶ月分とします。


①東京都内ですと、入居者を募集する時の条件が敷金・礼金それぞれ1ヶ月という場合が殆どです。

敷金は退去まで預かるものですが、礼金は契約時に入居者からオーナーに支払われるものになります。

たとえば入居者の募集時に係る費用が賃料1ヶ月分とした場合、オーナー様の手出しは礼金1ヶ月分を入居者から頂いていますので、実質ゼロになります。
では、なかなか入居者が決まらない場合はどうすればいいのでしょうか?

選択肢はいくつかありますが、
礼金をゼロにする募集時に係る費用をより多く出してお客さんに紹介してもらいやすくするフリーレントをつける家賃を下げるなどが考えられます。

例題2 募集にかかる経費の計算

家賃6万円で募集している戸建物件ですが、なかなか入居者が決まりません。
そのままの状態では物件が決まるのに3ヶ月の期間が必要でしたが、
礼金ゼロ、さらには募集時に係る費用を賃料の1.5ヶ月分支払う事にした所すぐに入居者がつきました。

入居者を募集するのにかかる経費と収支はいくらになりますか?


②募集時に係る費用を多く支払うことで「この物件をお客さんに紹介して成約すればより多くの報酬がもらえる」という事で、より積極的な募集活動を促すことが出来ます。
報酬が多い物件と報酬がもらえない物件を比べたら、不動産会社は当然報酬が多い物件の方を紹介したくなります。
より多くの人に物件を紹介してもらえるという事で、より早く入居者が決まる可能性が高くなります。

例題3 入居者募集の戦略

家賃6万円で募集を出している戸建物件ですが、なかなか入居者が決まりません。あなたはこの物件を入居者が決まり次第売却することを考えています。

礼金ゼロの条件にする、もしくは家賃を下げる方法を考えていますが、あなたならどちらの方法を選びますか?
それはなぜですか?


③どのような方法で早く入居者を見つけるかはその物件を今後どうしたいか、にも関わってきます。
例えば入居者を決めてオーナーチェンジ物件として売却したいと考えている場合にはどのような手法が最適でしょうか?

例題4 入居者募集の戦略

家賃6万円で募集を出している戸建物件ですが、なかなか入居者が決まりません。
ローンの支払いが始まり、さらには手持ちの資金からお金を出すことが難しい状況です。
こういった状況の場合、次の3つのうちどのような戦略にしますか?
1.礼金1ヶ月で募集する
2.礼金1ヶ月で家賃を下げる
3.礼金を0カ月にする
入居者の募集時に係る費用は賃料1ヶ月分とします。


④ローンの支払いが重く、資金の捻出が厳しい状況の時は、早期に家賃収入を得ることを考える必要があります。家賃6万円ではイメージしずらいですが、
例えば家賃60万円、ローン返済40万円の店舗物件を持っていた場合はどうでしょうか?
早期に物件が決まらないと毎月40万円ずつ資金がなくなってしまいます。60万円のまま決まるのを待つのか、一気に45万円まで下げてテナントをつけるのか。
経営者としての判断が問われる問題です。

今回のまとめ

入居者を募集するに辺り、不動産会社の協力は欠かせません。
入居者の募集には費用がかかりますので、空室期間と募集に係る経費のバランスを見る必要があります。
さらには物件をどれくらいの期間保有したいか、売却の可能性や資金繰りの状態なども考慮してどれくらいの費用を募集にかけるか検討が必要です。

計算をする際は場合分けをして一覧にしてみると分かりやすくなると思います。
ぜひ一度シミュレーションをしてみて下さい。