【親子で学ぶ不動産投資ドリル】  超入門編3

オーナーチェンジ物件(利回りの計算方法は?)

安く買って高く売る
賃借人を付けて家賃収入を得る
賃借人がついた状態で売る
という不動産投資における大まかな手法をご紹介して来ました。

 
今回のテーマは「オーナーチェンジで物件を購入する」です。
オーナーチェンジとは借り手がついた状態で物件を購入するという方法です。
つまり、買ったその時から家賃収入を得ることが出来ます。
既に賃借人がいるため賃貸募集に費用や手間がかかることはありません。
一方で室内の様子や建物の詳細を実際に見て確認することが出来ません。
そういったリスクを見えている数字と状況だけで判断し、物件を吟味する必要があります。

例題1 オーナーチェンジ(表面利回り)

ほっかいどう あさひかわ市にある築40年のオーナーチェンジ戸建物件が490万円で売り出されています。
現在、月額5万円で貸しています。
この物件の表面利回りはいくらになるでしょうか?


①オーナーチェンジ物件を探すときによく表示されるのが表面利回りです。

表面利回りの計算方法は以下のような式になります。

表面利回り=年間の想定家賃収入÷購入金額×100

表面利回りが高ければ高いほど収益性の高い物件と判断することが出来ます。

例題2 オーナーチェンジ(実質利回り)

とうきょうと ひの市にあるオーナーチェンジマンションは290万円で販売されています。
現在月額3万円で貸しています。
このマンションは管理費月額2000円、修繕積立金が月額5700円かかります。
この物件の表面利回りはいくらでしょうか?
また、実質利回りはいくらになるでしょうか?


②もちろん単純に利回りだけで購入すべきオーナーチェンジ物件を判断することは出来ません。

また表面利回りに対して実質利回りという言葉もあります。
例えば区分マンションには毎月かかる管理費・修繕積立金というものがあります。
実質利回りとはそういった月々の経費を含んだ計算式で利回りを計算します。

実質利回り=年間の家賃収入-年間の管理費・修繕費÷購入金額×100

年間の経費を計算式に入れているので、実際に則した数字を算出することができます。
※実際の経費では購入時の諸経費、固定資産税等の税金、保険料等、また突発的な修繕も出てくる可能性があります。

例題3 オーナーチェンジ(どちらを選ぶか?)

ほっかいどう あさひかわ市にある築40年の戸建・オーナーチェンジ物件が490万円で売り出されています。
現在月額5万円で貸しており、夫婦と子供3人の5人家族が住んでいます。

とうきょうと こだいら市にある築30年のマンション・オーナーチェンジ物件が490万円で売り出されています。
現在月額5万円で貸しており、大学生が一人で住んでいます。このマンションの管理費・修繕積立金は併せて月額1万円です。

あなたはどちらの物件を買った方がいいと思いますか?
その理由は何ですか?


③どんな物件を購入したいか、もしくは購入するべきか。
もちろん利回りだけで判断することは出来ません
たとえ利回りが理想的でもすぐに入居者が退去し、その後なかなか新しい入居者がつかなければ想定していた収益を上げることは出来ません。
利回りの他にも不動産の価値という指標もあります。
利回りが周辺より低い物件でも、相場よりも8割安い物件が募集されていたら、その物件は購入に値するでしょうか?

今回のまとめ

今回はオーナーチェンジで物件を購入し収益を得る方法をご紹介しました。
冒頭でもお伝えしましたが、オーナーチェンジ物件はすぐに家賃収入を得ることが出来ます。その為、空室物件の場合に必要な、
・修繕に係る費用
・募集に係る費用
・空室の期間(機会損失)
これらの費用がかからずに家賃収入をスタートすることができます。
ざっと見積もっても6ヶ月分くらいはかかる可能性がありますのでその分お得にみえます。

しかし一方で、入居者がいるため室内の状況を確認することができません
内装や外装の写真が充実している物件ならましですが、
写真がなかったり、かなり前のものであることもしばしばあります。
見えている数字、状況から判断して購入を検討することは簡単ではありませんが、
少なくとも見かけの数字だけがいい物件に飛びついてしまわないように注意しましょう。