金利の先行きが気になる今、住宅ローンの借り換えを考えてもよいのでしょうか

変動金利で借りているのですが、金利が上がっていくと聞いて不安です。固定金利に借り換えたほうがよいのでしょうか。

借り換えが合うかどうかは、残高・残りの返済期間・金利差・諸費用の組み合わせで変わります。一律に「得」「損」とは言えないので、見るポイントを順番に整理していきましょう。
この記事では、変動金利から固定金利への借り換えで確認したい点を説明します。借り換えが難しいときに金融機関へ返済条件の変更を相談する道も、2026年10月時点の情報でご案内します。
借り換えで見ておきたい4つのポイント
借り換えとは、いま返済中の住宅ローンを、別の住宅ローンで完済し、新しいローンに切り替えることです。比べるときは、次の4点を同じ目線で見ていきます。
| 見る点 | 考え方の例 |
|---|---|
| 残高 | 残高が大きいほど、金利差が総返済額に与える影響も大きくなります。残高が少ないと、諸費用のほうが目立つことがあります。 |
| 残り期間 | 残りの期間が長いほど、金利差の効果が表れやすい一方、金利の先行きの影響も長く受けます。短いと、諸費用を取り戻す時間が足りないことがあります。 |
| 金利差 | 変動から固定への借り換えでは、固定金利に切り替えると、いまの変動金利より金利が上がる場合もあり、単純に「下がる」とは限りません。何を重視して固定にするのかを整理します。 |
| 諸費用 | 借り換えには手数料や登記の費用などがかかります。金利差による軽減額と並べて見ます。 |

借り換えにも費用がかかるんですね。新しく借りるだけなのに、思ったより大変です。

目先の金利だけでなく、かかる費用の全体を見ておくと、あとで慌てずにすみます。
固定金利にすると毎月の返済額の見通しが立てやすくなるという面があります。一方で、変動金利のままであれば金利が下がる場面でその恩恵を受けられるという面もあります。どちらが合うかは、家計や今後の予定で変わります。
借り換えにかかる諸費用の主な項目
借り換えの諸費用は、金融機関や商品によって項目も金額も違います。住宅金融支援機構の借換融資の案内では、主に次のような費用が挙げられています。
- 融資手数料:新しいローンを借りる金融機関に支払う手数料です。金額は金融機関によって異なります。
- 印紙税:ローンの契約書に貼る収入印紙の費用です。
- 抵当権の抹消費用:いまのローンの抵当権(返済できないときに備えて、家を担保にする権利)を外す登記の費用です。登録免許税(登記にかかる税金)と司法書士への報酬があります。
- 抵当権の設定費用:新しいローンのための抵当権を付ける登記の費用です。こちらも登録免許税と司法書士報酬がかかります。
このほか、物件検査手数料や火災保険料がかかる場合があります。また、いまのローンを全額繰上返済(まとめて返すこと)するときの手数料や、経過利息(前回の返済日から完済日までの利息)が必要になることもあります。
借り換え前に集めておきたい情報
- いまのローンの残高と、残りの返済期間
- いまの金利と、借り換え先の金利(適用される条件も)
- 借り換え先の融資手数料、保証料(保証会社に払う費用)などの有無
- 登記の費用(登録免許税と司法書士報酬)、印紙税
- いまのローンの繰上返済に関する取り決め
2026年10月時点の金利の動きと、住宅ローン控除の注意点
固定金利の目安のひとつが、住宅金融支援機構の【フラット35】です。同機構が公表している2026年10月の最低金利は、年3.830%です。返済期間21年以上35年以下、融資率(住宅の購入価格などに対する借入額の割合)9割以下の場合で、取扱金融機関によって金利は異なります。
金利の動きを左右する材料として、日本銀行の金融政策決定会合(金利の方針を決める会議)も注目されています。2026年10月は29日(木)・30日(金)の開催予定です。決定内容によって金融機関の住宅ローン金利が動く場合もあるため、借り換えを検討するときは、申し込み時点の最新の金利を確認してください。
住宅ローン控除を受けている人は条件を確認します
住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除。年末のローン残高に応じて所得税などが軽くなる制度)を受けている人は、借り換えの際に注意が必要です。国税庁によると、借り換えで新たに借りたローンは、原則としては控除の対象になりません。ただし、新しいローンがもとのローンの返済のためのものであることが明らかで、返済期間10年以上などの要件を満たす場合は、引き続き控除を受けられます。
控除を受けられる期間は、借り換えによって延長されません。また、新しい借入額がもとの残高を上回る場合は、もとの残高に当たる部分だけが控除の対象になるよう計算されます。具体的な扱いは個別の事情で変わるため、税務署や税理士にご確認ください。
借り換えが難しいときは、返済条件の変更を相談できます
借り換えは新しいローンの審査があるため、希望どおりに進まない場合もあります。審査の基準は金融機関ごとに異なります。たとえば住宅金融支援機構の【フラット35】借換融資では、住宅を取得したときのローンの借入日から1年以上たっていることや、申込日の前日までの1年間、正常に返済していることが要件に挙げられています。

もし借り換えができなかったら、このまま返済が苦しくなっていくのでしょうか……。

その場合は、いま借りている金融機関に返済条件の変更を相談する道があります。借り換えの審査が通らなくても、相談すること自体はできます。
たとえば住宅金融支援機構では、月々の返済に困ったときのメニューとして、返済期間の延長(離職や病気などで収入が減った場合など)や、一定期間の返済額の減額を案内しています(審査があり、希望に沿えない場合もあります)。民間の金融機関でも、借入先に返済条件の変更を相談できます。できる内容や審査の有無は借入先によって違います。
変動金利の返済額がいつ変わるのか、その後の相談の流れについては、日銀が利上げ。変動金利の住宅ローン、返済額はいつから変わる?で整理しています。
返済が遅れる前のほうが、取れる方法は多くなります。滞納後の流れは、住宅ローンを滞納するとどうなる?督促から競売までの流れと時期で説明しています。
家を売るという選択肢も含めて、早めに整理しておく
借り換えも条件変更も難しいと感じたときは、家を売却して住み替える道もあります。任意売却(ローンの残高が売却額を上回る状態で、金融機関の同意を得て家を売る方法)を含めて整理することもできます。選べる方法が多いのは、返済に余裕のある早い段階です。
アソシオの任意売却のご相談は、相談無料・秘密厳守で、費用の持ち出しは原則ありません(業務上必要な費用が発生する場合は、事前にお伝えします)。まだ返済が遅れていない段階でも、情報を整理するだけのご相談で構いません。詳しくは任意売却のご相談ページをご覧ください。

借り換えだけが道ではないと知って、少し落ち着きました。まず何から始めればいいですか。

まずは、いまのローンの残高・金利・残り期間を手元の書類で確認することからで大丈夫です。数字がそろえば、借り換えも条件変更も、相談先で具体的に話しやすくなります。
まとめ
この記事のまとめ
- 借り換えが得になるかは、残高・残り期間・金利差・諸費用のほか、今後の金利の変化でも変わり、一概には言えません
- 諸費用は、融資手数料・印紙税・登記費用(登録免許税と司法書士報酬)などが主な項目です
- 2026年10月のフラット35の最低金利は年3.830%(融資率9割以下、21〜35年)。日銀の決定会合は10月29日・30日の予定です
- 住宅ローン控除を受けている場合、借り換え後の扱いには条件があります
- 借り換えが難しいときは、返済条件の変更を金融機関に相談できます
借り換えの可否や返済条件の変更、住宅ローン控除などの税金、法律が関わる判断については、金融機関・税務署・税理士・ファイナンシャルプランナー・弁護士などにご確認ください。アソシオでは、必要に応じて司法書士・税理士などの専門家と連携してご相談をお受けしています。
※本記事の内容は、住宅金融支援機構「【フラット35】の金利(2026年10月)」「借換融資のご利用条件」「月々の返済でお困りになったとき」、日本銀行「金融政策決定会合」開催予定、国税庁タックスアンサーNo.1233「住宅ローン等の借換えをしたとき」を参考にしています(2026年10月時点)。
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