日銀の利上げを聞いて、返済額が不安になっていませんか

ニュースで金利が上がったと聞いて、変動金利で住宅ローンを借りている私の返済額もすぐ増えるのか心配です。いつから変わるものなんでしょうか。

多くの場合、金利が上がってもすぐに毎月の返済額が増えるわけではありません。変動金利型には金利を見直すタイミングと返済額を見直すタイミングが別々にあって、そこにゆとりを持たせる仕組みがあるんです。
日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で、短期金利(無担保コールレート・オーバーナイト物。銀行同士が翌日返済の条件で貸し借りするときの金利)を「1.25%程度」で推移するよう促すと決めました。従来は「1.0%程度」で、新しい方針は9月24日から適用されています。変動金利の住宅ローンを借りている方は、返済額が気になるのではないでしょうか。
この記事では、変動金利の返済額がいつ・どのように変わるのかを整理します。あわせて、5年ルールと125%ルールの仕組みと、家計が苦しくなる前に金融機関へ返済条件の見直しを相談する流れもお伝えします。
変動金利の「金利」と「返済額」は、見直しの時期が違います
変動金利型の住宅ローンでは、適用される金利は経済情勢などに応じて、通常は半年ごとに見直されます。一方、毎月の返済額は、元利均等返済(毎月の返済額が一定になる方法)の場合、通常は5年ごとに見直されます。見直しの時期や細かな扱いは、金融機関やご契約の内容によって異なります。
まず押さえたい2つのタイミング
- 金利の見直し:通常は半年ごと
- 返済額の見直し:元利均等返済の場合、通常は5年ごと
- 実際の時期や例外は、ご契約の内容(ローンを借りるときに結んだ金銭消費貸借契約書など)で確認できます
つまり、金利が上がったあとも、次の返済額の見直しまでは、毎月の返済額が変わらない期間があります。これが「5年ルール」と呼ばれる仕組みです。急な負担増を和らげる一方で、気をつけたい点もあります。
5年ルールと125%ルール、未払利息のしくみ
5年ルール:返済額は原則すぐには変わらない
5年ルールでは、返済額は5年間据え置かれます。ただし、返済額が同じでも、金利が上がると、返済額のうち利息にあたる部分が増えます。そのぶん元金の減りは遅くなります。
125%ルール:見直しのときの増え方に上限がある
5年ごとの返済額の見直しでは、「125%ルール」が設けられているのが一般的です。新しい返済額が、見直し前の1.25倍(125%)を超えないようにする決まりです。たとえば毎月10万円の返済なら、見直し後の返済額は12.5万円まで(増える額は2.5万円まで)が上限になる、という考え方です。

返済額が上がりすぎないのは助かります。でも、金利が大きく上がった場合、増えなかった分はどうなるんですか。

そこが大切なところです。増えなかった利息は、なくなるわけではありません。返済額より利息のほうが多くなると、払いきれない分は未払利息(その時点で支払いきれなかった利息)として先送りされます。
ルールの対象外になる場合もあります
- 5年ルール・125%ルールは、元利均等返済の場合の仕組みです
- ルールの有無や内容は、金融機関や商品によって異なります
- 未払利息の精算方法(最終回での一括返済など)は、契約によって異なります
未払利息は、金利上昇分を金融機関が負担したり免除したりしているわけではなく、支払いを先に延ばしている状態です。ご自身のローンにルールがあるか、未払利息が出る契約かどうかは、借入先の金融機関に問い合わせると確認できます。
返済が苦しくなりそうなときの、見直し相談の流れ

もし返済額が増えて、家計がもたなくなったらどうしよう……。

心配になりますよね。そうなりそうなときは、早めに借入先の金融機関へ相談する方法があります。返済額を変えたり、返済の期間を延ばしたりする「返済条件の変更」です。
住宅金融支援機構のご案内では、返済方法の変更について、次のようなメニューが示されています。金融機関によって内容は異なりますが、考え方の参考になります。
- 返済期間の延長:離職や病気などで収入が減ったときなどに、返済期間を延ばして毎月の負担を軽くする方法
- 一定期間の返済額の減額:一定の期間だけ毎月の返済額を減らす方法
- ボーナス返済の見直し:ボーナス返済の額を変えたり、取りやめたりする方法
これらを組み合わせられる場合もあります。相談の一般的な流れは、次のとおりです。
- 借入先の金融機関に連絡する
- 今の状況を伝え、金融機関から変更案の提案を受ける
- 必要な書類を添えて申し込む
- 審査を受ける(住宅金融支援機構のローンの場合は、機構が審査します)
- 承認されたら、契約を結ぶ
相談の前に手元に用意しておくと話が進みやすいもの
- ローンの契約内容がわかる書類(返済予定表など)
- 直近の収入や支出がわかるもの
- 今後の収入の見通しと、返済が難しくなりそうな時期のメモ
住宅金融支援機構のご案内では、返済方法の変更に手数料はかからないとされています(住宅金融支援機構のローンの場合。民間の金融機関のローンは、借入先にご確認ください)。ただし、必ず承認されるとは限りません。また、期間を延ばすと、総返済額が増える場合もあります。
相談はいつ頃がよい?
- 返済が遅れる前のほうが、返済条件の変更など、相談できる方法が残っていることが多いとされています
- 毎月の返済が苦しいと感じた時点が、相談の目安になります
返済条件の見直しで足りないときの、ほかの選択肢

相談できる方法があると知って、少し落ち着きました。それでも難しかったら、どうなるんでしょう。

選択肢はひとつではありません。返済条件の見直しのほかにも、状況によっては家の売却を含めて考える方法があります。
たとえば、住宅を売却してローンの返済にあてる方法があります。売却額がローン残高に届かない場合は、任意売却(金融機関などの債権者の同意を得て、不動産を売却する方法)という手段も考えられます。どの方法が合うかは、ローンの残り、お住まいの状況、ご家族の事情によって変わります。
一方で、「まず売却したらいくらくらいか知りたい」という段階のご相談は、売却のご相談でも承っています。債務や法律の判断が必要な部分は、弁護士などの専門家のご意見をうかがうことも大切です。
アソシオの任意売却のご相談は、相談無料・秘密厳守で、費用の持ち出しは原則ありません(業務上必要な費用が発生する場合は、事前にお伝えします)。まだ返済が遅れていない段階でも、情報を整理するだけのご相談で構いません。
まとめ
この記事のまとめ
- 日本銀行は2026年9月18日、短期金利を「1.25%程度」で推移するよう促すと決めました(従来は「1.0%程度」)
- 変動金利型は、金利は通常半年ごと、返済額(元利均等返済の場合)は通常5年ごとに見直されます
- 125%ルールにより、5年ごとの返済額の見直しで増える額には上限があるのが一般的です。ただし増えなかった利息は未払利息として先送りされることがあります
- 返済が苦しくなりそうなときは、早めに借入先の金融機関へ相談すると、返済条件を見直す方法を検討しやすくなります
- 見直しだけで難しい場合は、売却を含めた選択肢もあります。まずは状況の整理だけでも構いません
ローンの契約内容や、返済条件の変更の可否、法律が関わる判断については、金融機関・ファイナンシャルプランナー・弁護士などにご確認ください。アソシオでは、必要に応じて司法書士・税理士などの専門家と連携してご相談をお受けしています。
※本記事の内容は、日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)、国土交通省住宅局「前回検討会における質問事項について」(2010年2月)、住宅金融支援機構「月々の返済でお困りになったとき」を参考にしています(2026年10月時点)。
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