住み替えは、売るのが先?買うのが先?金利が上がると迷います

今の家を売って、住み替えたいと考えています。先に売るべきか、先に新しい家を買うべきか、どちらが安心なのか迷っています。

どちらにも良い点と注意点があります。金利が上がる局面では、毎月の返済額や、売却と購入が重なる期間の資金が気になりますよね。順番を決める前に、自分の家計で何が負担になりそうかを整理するのが近道です。
この記事では、売り先行と買い先行の違いや、ローンが残る家を売って買い替える流れを整理します。あわせて、つなぎ融資や買い替え特約、資金計画の注意点も、2026年10月時点の情報でまとめます。
売り先行と買い先行の違い
今の家を先に売ってから新居を買う進め方を売り先行、新居を先に買ってから今の家を売る進め方を買い先行といいます。
| 売り先行 | 買い先行 | |
|---|---|---|
| 進め方 | 今の家の売却を先に進める | 新居の購入を先に決める |
| 良い点 | 売却代金が確定してから予算を立てやすい。二重のローンになりにくい | 新居をじっくり選べる。住み替えの空白期間を作りにくい |
| 注意点 | 新居が決まらないと、仮住まいが必要になることがある | 売れるまでの間、今の家と新居の費用が重なることがある |
売り先行の考え方
売却代金とローンの残りが見えた状態で新居の予算を決められるため、資金計画を立てやすい進め方です。一方で、引き渡しまでに新居が見つからないと、賃貸などの仮住まいが必要になることがあります。買主に引き渡し日を少し待ってもらう相談をする場合もあります。
買い先行の考え方
気に入った物件に出会えたときに動けるのが利点です。ただし、今の家がなかなか売れないと、二つの住まいの費用を同時に抱えることになります。自己資金や返済の余裕と相談しながら決めることが大切です。
住宅ローンが残る家を売って買い替える流れ
ローンが残っている家でも、売却は可能です。売却代金でローンを返し終えられる見込みがあるかを、まず確認します。
- 金融機関でローン残高を確認する(残高証明書の発行に日数がかかることがあります)
- 不動産会社に査定を依頼し、売り出し価格を決める
- 売買契約を結び、新居の購入やローン申込みの段取りを進める
- 決済の日に、売却代金でローンを完済し、抵当権を抹消する
- 新居の引き渡しを受け、入居する
抵当権とは、ローンの担保として家と土地に付けられる権利です。返済が滞ると、金融機関は家を競売にかけて優先的に回収できます。登記簿に記録されているため、完済したら抹消の登記が必要です。
決済の日にやること
売却代金の受け取り、ローンの完済、抵当権抹消の準備を、同じ日に進めることが一般的です。完済すると、金融機関から抹消に必要な書類を受け取ります。解除証書などの登記原因証明情報、登記識別情報、委任状などで、これらを添えて法務局に抹消登記を申請します。司法書士に申請を依頼することもできます。登録免許税は不動産1個につき1,000円で、土地と建物1つずつなら2,000円です。

もし売却代金がローンの残りより少なかったら、どうなるのでしょうか。

その場合は、差額を自己資金などで用意して完済する必要があります。足りない分があるか早めに分かるよう、査定額とローン残高を並べて確認しておきましょう。売り出し価格の考え方は、マンションの売り時と相場の見方の記事でも整理しています。
買い先行を支える、つなぎ融資と買い替え特約
買い先行では、今の家の売却代金が入る前に、新居の代金を支払う必要が出ることがあります。そのための仕組みが二つあります。
つなぎ融資
つなぎ融資とは、今の家が売れるまでの間、新居の購入資金などを一時的に借りる融資です。売却代金が入ったら返済します。取り扱いの有無や条件、金利は金融機関によって異なるため、事前に確認が必要です。
買い替え特約
買い替え特約とは、決めた期限までに今の家が売れなかったときに、新居の売買契約を解除できるようにしておく取り決めです。売主との合意で契約に入れるものなので、売主が応じない場合もあります。
特約は契約書の文言が大切
- 売却の期限や、解除するときの手付金の扱いは、契約書の内容で決まります
- 売主の了承が必要なため、付けられない場合もあります
- つなぎ融資の費用(利息や手数料)は、資金計画に入れておきます

特約の細かい内容は、物件や契約の条件で変わります。契約前に、特約の期限や解除したときの扱いを契約書の文言で確かめておきましょう。判断に迷うときは、弁護士などの専門家に相談する方法もあります。
資金計画で押さえたい注意点
住み替えでは、住宅の価格のほかにもお金がかかります。売却では仲介手数料や印紙税などの費用、利益が出た場合の税金があります(くわしくは家を売るときの費用と税金の記事をご覧ください)。購入でも、登記費用やローンの手数料などの諸費用が必要です。
- 売却と購入、それぞれの諸費用を別々に見積もる
- 変動金利は、金利が上がると返済額が変わる可能性がある(変動金利の返済額が見直される時期の記事も参考にしてください)
- 仮住まいや引っ越しを二回行う場合の費用を見ておく
- 売却価格が想定より下がった場合でも、返済に無理が出ないか確認する

順番だけでなく、売れなかったときの備えも考えておくのが大事なんですね。

はい。売却の価格と期間には幅がありますので、余裕のある計画にしておくと落ち着いて進められます。
買い替えで譲渡損失が出たときの税金の特例
マイホームを買い換えて譲渡損失が出た場合に使える特例があります(2026年10月時点)。譲渡損失とは、売った価格が、購入時の価格などをもとにした取得費を下回ったときの損のことです。その損失をその年の給与所得などから差し引き、引ききれない分を翌年以後3年内に繰り越せます。国税庁の案内では、2027年12月31日までに旧居宅を売ることなどが条件で、主な要件には次のようなものがあります。
- 売った年の1月1日時点で、所有期間が5年を超えていること
- 新居の床面積が50平方メートル以上であること
- 新居に、償還期間(返済期間)10年以上の住宅ローンがあること
- 繰越控除は、合計所得金額が3,000万円を超える年には使えないこと
適用を受けるには確定申告が必要です。3,000万円特別控除など、ほかの特例とは併用できない場合もあります。
対象になるかどうかは、お一人おひとりの事情で変わります。税務署や税理士にご確認ください。
まとめ

いろいろな選び方があると分かって、少し気持ちが落ち着きました。

慌てて決めなくて大丈夫です。まずは今の家の査定額とローン残高を確認するところから、一緒に整理していきましょう。
この記事のまとめ
- 売り先行は予算を立てやすく、買い先行は新居をじっくり選べる。それぞれ注意点がある
- ローンが残る家は、決済の日に売却代金で完済し、抵当権を抹消するのが一般的な流れ
- 買い先行では、つなぎ融資や買い替え特約という備えがあるが、条件は個別に確認する
- 売却費用・諸費用・仮住まい・金利の変動まで含めて、余裕のある資金計画にする
税金や法律が関わる部分は、実際の判断を税務署・税理士・司法書士・弁護士などにご確認ください。アソシオでも、必要に応じて専門家と連携してご相談をお受けしています。売却のご相談は売却相談ページからどうぞ。
※本記事の内容は、国税庁「マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(タックスアンサーNo.3370)」、法務省民事局「住宅ローンを完済したことなどによる抵当権抹消の登記申請手続(令和6年4月版)」、東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」を参考にしています(2026年10月時点)。
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