任意売却と競売はなにが違う?手続き・価格・引っ越し時期・残ったローンを比べる

任意売却と競売はなにが違う?手続き・価格・引っ越し時期・残ったローンを比べる 任意売却・住宅ローン

任意売却と競売は、なにが違うのでしょうか

住宅ローンの返済が苦しくなってきました。「任意売却」と「競売」という言葉を見かけるのですが、どちらも家を売るのですよね?なにが違うのでしょうか。

アソシオくん
アソシオくん

どちらも、家を売ったお金をローンの返済にあてる点は同じです。違いは、だれが主体になって、どんな形で売るかにあります。

任意売却(ローンが残ったまま、金融機関などの債権者の同意を得て、通常の不動産取引として家を売る方法)と、競売(裁判所が家を売り、代金を債権者に配当する手続)の違いを、2026年10月時点の公的な資料をもとに整理します。

返済が遅れたあとの流れは住宅ローンを滞納するとどうなる?督促から競売までの流れと時期で説明しています。この記事は、その流れの中で出てくる「売り方の違い」に絞った内容です。

手続きの主体と進み方を比べる

まず、大きな違いを表にまとめます。

比べる点任意売却競売
手続きの主体所有者が不動産会社に依頼して売る。債権者(金融機関・保証会社など)の同意が必要債権者の申立てにより、裁判所が進める
売り方通常の不動産取引と同じ形で、買主と売買契約を結ぶ裁判所が定めた期間に入札を受け付け、最も高い価額をつけた人が買受人になる
価格の決まり方市場の相場を参考に売り出す。売り出し価格などについて債権者の同意が必要裁判所の評価をもとに売却基準価額が決まり、その8割(買受可能価額)以上の入札で有効になる
引き渡しの時期競売より調整しやすいとされる。買主との売買契約の中で取り決める代金納付後は、買受人が引渡命令(家の明け渡しを命じてもらう手続)を申し立てられる
残ったローン売却代金で完済できない分は、返済の義務が残る。返済計画は生活状況を踏まえて債権者と相談する配当で足りない分も、返済の義務が続くことがある

表のとおり、任意売却は「債権者の同意のもとで、所有者が進める通常の売買」、競売は「裁判所が進める手続」というのが基本的な違いです。

競売では、価格が裁判所の評価で決まるのですね。自分では決められないのですか?

アソシオくん
アソシオくん

はい、競売では売却基準価額が裁判所の評価で決まり、入札はその8割以上でなければ有効になりません。任意売却は市場で売り出す形のため、相場を参考に価格を考えます。

売れる価格はどう決まる?

競売の場合

競売では、執行官が現況を調べ、評価人が評価して売却基準価額が決まります。入札は、そこから2割を引いた買受可能価額以上でなければ受け付けられません(裁判所の案内による)。東京地方裁判所の案内では、入札期間は通常8日間です(裁判所によって運用は異なります)。

任意売却の場合

任意売却は通常の不動産取引として売買されるため、住宅金融支援機構は「一般的に競売より高値で売却できることが期待され、負債の縮減につながる」と案内しています。ただし、あくまで期待であり、実際の金額は物件や時期、買い手の状況によって変わります。

「必ず高く売れる」わけではありません

任意売却は市場で売る形のため、競売より高い価格になることが期待されますが、個々の物件でどうなるかは、査定や売り出しをしてみないとわかりません。金額の見込みは、不動産会社の査定で確認してください。

引っ越しの時期と、残ったローンの扱い

引っ越しの時期

競売では、買受人が代金を納めると家の所有権が移ります。代金納付の期限は裁判所が通知し、東京地方裁判所では通常、売却許可決定の確定から約1か月以内です。そのあと、買受人は引渡命令を申し立てることができます(原則として代金納付から6か月以内)。

任意売却では、買主との売買契約の中で引き渡しの時期を取り決めます。住宅金融支援機構は、競売より引き渡し時期の調整がしやすいと案内しています。ただし、買主の都合や債権者の同意にも左右されます。

引っ越しの時期を、少しでも話し合えるのは気持ちが楽ですね。

アソシオくん
アソシオくん

ただし、どの時期になるかは買主さんや債権者の事情でも変わります。まずは「いつまでに住まいを移したいか」を整理して、相談の場でお伝えいただくのが近道です。

売っても残ったローンはどうなる?

売却代金でローンを完済できないとき、残りの返済は気になるところです。住宅金融支援機構の任意売却パンフレットでは、任意売却の返済金が債権額に満たない場合、破産免責となっている方を除き、残債務の返済義務は残ると案内されています。任意売却後の返済計画は、生活状況などを踏まえて相談するとされています。つまり、任意売却をしてもローンが自動的になくなるわけではありません。

競売でも、配当で足りない分について返済の義務が続くことがあります。いずれの場合も、残りをどう返していくかを債権者と相談することになります。

費用について

住宅金融支援機構は、任意売却の手続に協力した場合、売却代金から不動産仲介手数料や抵当権の抹消登記費用などを差し引ける場合がある、と案内しています。アソシオの任意売却のご相談は相談無料・秘密厳守で、費用の持ち出しは原則ありません(業務上必要な費用が発生する場合は、事前にお伝えします)。

どちらを選ぶ? 決め手は「債権者の同意」と「時期」

任意売却は、債権者の同意が得られなければ進みません。住宅金融支援機構のパンフレットでも、任意売却が成立する見込みがないと判断した場合は、競売を申し立てることがあると案内されています。手続が進むほど、同意を調整できる時間は短くなります。そのため、早めに状況を整理しておくと、取れる方法が多くなります。

まずは相談してもよいのですね。少し落ち着きました。

アソシオくん
アソシオくん

もちろんです。相談無料で秘密厳守ですので、書類がそろっていなくても大丈夫です。借入先の書面と、ローンの残高がわかるものがあれば、お話がしやすくなります。

なお、任意売却の前に、借入先へ返済条件の変更を相談する道もあります。借り換えや条件変更の考え方は住宅ローンの借り換えは得?金利が気になる今、見ておきたい4つの点で整理しています。通常の売却と任意売却のどちらが合うか迷う方は、任意売却のご相談ページもご覧ください。

相談前に用意しておくと話が早いもの

  • ローンの契約書や、金融機関から届いた書面
  • ローンの残高と、返済状況がわかるもの
  • 家の登記事項証明書や固定資産税の通知書
  • いつまでに住まいを移したいかのご希望

まとめ

この記事のまとめ

  • 任意売却は債権者の同意を得て通常の売買として進め、競売は裁判所が進める手続です
  • 競売は売却基準価額の8割(買受可能価額)以上の入札で売れ、任意売却は市場を参考に売り出します
  • 任意売却は競売より高値での売却が期待されますが、金額の保証はありません
  • 売却代金で完済できない分は、任意売却でも競売でも、返済の義務が続くことがあります
  • 手続が進むほど調整できる時間は短くなるため、早めに状況を整理すると取れる方法が多くなります

残ったローンの扱いや法律が関わる判断は、個別の事情で変わります。実際の判断は、金融機関や弁護士・司法書士などの専門家にご確認ください。アソシオでは、必要に応じて司法書士などの専門家と連携してご相談をお受けしています。

※本記事の内容は、裁判所「期間入札の手続」(競売ファイル・競売手続説明書)、東京地方裁判所「競売不動産の買受手続」、民事執行法第60条、住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」「任意売却パンフレット(令和8年4月)」を参考にしています(2026年10月時点)。

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